この老夫婦はイギリス、イーストサセックス州に住むスウィートマン夫妻。写真家のケン・グリフィス氏はサンデー・タイムズ誌に、「12カ月」というテーマでこの老夫婦に同じポーズを取ってもらい、家の玄関につながる庭の中の小道で写真撮影を行った。
「12ヵ月間」
恥ずかしそうに微笑みながらも、上半身をお互いの方に傾けながら仲睦まじく並んで写真に写る老夫婦。
この絶妙の距離感が二人が共にした時間の長さと絆を物語っているようだ。
四季折々で変化していく庭の草花。老夫婦が大事に育てているのだろう。とても手入れが行き届いておりかわいらしく、そして美しい。
晴れの日も雨の日も曇りの日も、老夫婦は写真家の前に立ち、同じ微笑みを見せていた。
1ヶ月目
2ヶ月目
3ヶ月目
4ヶ月目
5ヶ月目
6ヶ月目
7ヶ月目
8ヶ月目
9ヶ月目
10ヶ月目
11ヶ月目
そしてついに最後の12ヵ月目が・・・
12ヶ月目
最後の一枚を見るまで、「このまま二人は永遠に仲良く暮らしました」という物語のエンディングを予測していたので、かなりの衝撃を受けた。
写真家のケン・グリフィス氏もまったくこうなることは予想していなかったようだ。万人に必ず訪れ、それがいつなのかはわからない「喪失」という瞬間は受け入れるのが辛すぎてどうしても目をそらしたくなるものだ。
生きとし生けるものに永遠はない。だからこそ人は永遠に愛を誓い、死が二人を分かつまで、永遠であろうと努力する。だが写真の中では、あの頃と変わらない笑顔と存在が永遠に刻み込まれる。
時を止める魔法をもった写真だからこそ、最後の一枚がより印象的に、そして現実として深く記憶に残るのだろう。そしてこれまで積み重ねてきた愛の記録は永遠に記録として残されていくのだ。
引用元:カラパイア