9月19日に松江市の道の駅「秋鹿(あいか)なぎさ公園」に設置された段ボール製の授乳室。
幅約1m、高さと奥行きがそれぞれ約2m。強化段ボール製のため、常設にも耐え得る強度を持ち、重さ約20kgのため簡単に移動できる。組み立ても簡単で、軽く水拭きもできるという。
ただ、出入り口はカーテンの仕切りだけで鍵をかけられず、天井に覆いもない。そのため、侵入や覗きの危険があることから、SNSでは批判的な声が多くあがりました。
-
なにこれ、酷すぎて泣きそう。
-
一過性のイベント用とかならまだしも、あんな立派な建物の道の駅の授乳室がダンボール…出ているのもオジサンばかりで、実際に使う女性の羞恥や恐怖には無頓着過ぎる
-
これで子育て支援と言われても、ピントがズレすぎて言葉がない》
-
天井開いてるしカーテンちゃんと閉まらないし、荷物置く棚とかもないし、こんな所で安心して授乳出来るわけないじゃん。
-
子供連れて外出してる人が手ぶらな訳ないでしょ。おっさんが適当に作った資源ゴミじゃなくて、まともなスペースをちゃんと工事して作りなよ。
こうした数々の批判の声が上がる中、9月28日に島根県の丸山知事は記者会見で、「段ボール授乳室」への批判を「間違った考え方」と一蹴したのです。
島根県・丸山知事『段ボール授乳室』批判に一蹴
「声を大にしていいたいですけど、100点満点のものしか使わないという人もおられるでしょう。でも100点満点のものを待っていると、できずに終わってしまいますよ。その問題を解決しようと思ったのが、あの段ボールの簡易型のものだと思います。いろいろ問題はあったと思いますが、100点じゃないから供用すべきじゃないっていうのは間違った考え方です。
と100点満点のこだわった授乳室を作ろうとするとなかなか形にすることが出来ず、その結果がこの段ボールの簡易型になったと言うのです。
そして…
「100点を求める人からするとあれは失格で、撤去すべきでしょう。そしたら、車の中で、タオルケットかなんかで隠しながら授乳することになる。役所がやるんだから100点満点のものをって叫ぶのは構わないけど、簡単にできない、ハードルを上げるだけですよ。結果的に何もできずに終わってしまう。」
結局誰もが認める物を作ろうするとハードルばかり上がり、結果的に何もできずに終わってしまうことを指摘。
「100点主義で非難がたくさん来たんでしょうけど、そんなことに惑わされちゃいけない。60点でもいいです、という人や、指摘を受け改善して、60点のものを80点にして使ってもらうというのは充分にありだと思います。5点でも10点でも前進するなら、100点でなくてもやるべきことはやる。私の感性はそんな感じです」
まずは低い点でも良いから世に出してみて、その中で試行錯誤を繰り返し、より良い点数に上げていけば良いと言います。そうしたうえで、段ボール授乳室の寄贈を「よい取り組み」と述べるのでした。
「お金がないから合格点・基準点を下げるのかと笑われるかもしれないけど。実際に使う人がおられなかったら撤去すればいい。100点満点じゃないとダメだという人ばかりではないと思います。わたしは道の駅の設置者じゃないので、権限はないですけど、よい取り組みだと思います」
これらの丸山知事の本質を突く意見に、SNSでは多くの賛同する声が上がるのでした。
-
正論過ぎて付け加えることが無い
-
「ご意見賜りました」で突っぱねて欲しいなーとか思ってたが、超えてきた!
-
知事という叩かれやすい立場の人が、イチャモンに対して真正面から、率直に、完全に反論しててちょっと感動した!
-
良くも悪くも空気読まずにこういうことをはっきり言うのは頼もしくはある。
そして、道の駅「秋鹿なぎさ公園」では、上からのぞきこめないよう天井に屋根をつけ、子どもが遊べるよう、床にプレーマットを置くなど、改良を実施。今後もカーテンを二重にしたり、照明器具をつけるなどの対策をしていくといいます。
更に9月22日には、福岡県田川郡添田町の道の駅「歓遊舎ひこさん」、27日には、福岡県大牟田市の道の駅「おおむた」が段ボール授乳室の寄贈を受け、設置されました。
是非ともこれから良い方向に進んで行くことを祈りたいですね…
丸山知事の意見に「ナイス!」「賛成!!」って思った方、是非「いいね」いただけましたら幸いです。
それではまた次の記事で…